サイン

0


    満杯になったレジ袋をシャカシャカさせながらマラソンをしている。空袋を携えて家を出るのだが、3キロ程走り、家路に辿り着く頃にはゴミで一杯になる。毎日同じルートを走っているのだが、捨てる人が減らない限り、ゴミも減る筈がない。ゴミ拾いマラソンをし始めたのはいつ頃からだろうか。空き缶などは結構前から拾っていたのだが、本格的にレジ袋まで持参し始めたのは、多分昨年の11月頃からだと思う。きっかけは恐らくマイケルジャクソンのドキュメンタリー映画「THIS IS IT」を観た後だったと思う。マイケルが環境問題に強い関心を示し、「もう時間がないんだ」と訴えていた。言ってしまえば、この映画とマイケルの考え方に大きな影響を受けたのである。(ちなみに僕はこの映画を6回観た)とは言っても、今のところゴミ拾いをしているだけだが。

    なので、ゴミを拾うために走りを中断せざるを得ず、何だかフラストレーションが溜まってしまうのだが、かといってゴミを無視してしまう方がもっと嫌なのだから仕方がないと諦めている。何かを始めたら投げ出せないタイプといえば聞こえはいいが、反面、勉強に関してはポイ捨て(つまり長続きしない)に近く、明日から試験だというのに、普段は更新しないブログにこうやって手を出してしまっている。自分の行動が読めない。

    前ふりが長くなってしまったが、自分はゴミ拾いをするナイスガイだと自慢する為の文章ではない。「何故ゴミを捨てるのだろうか」という事を考えているのだ。前にも書いた事だが、こういった些細なマナーを守らない背景に、その人の環境が関わっているのではないかと強く思うのである。一言で言ってしまえば、生活環境が荒んでしまっている表れではないかと思うのだ。人間関係が上手くいってなかったり、労働環境が恵まれていなかったり、愛し愛されるという実感が持てなかったりと。寂しさ、不満、怒りなどが、ポイ捨てなどで表現されているのではなかろうか。つまりポイ捨ては、捨てた人が残したサインであると僕は考える。だからそれを他者が拾わなければ、そのサインは残ったままである。見過ごされたSOSとでも言えば聞こえがいいだろうか。

    かなり強引かもしれないが、秋葉原通り魔事件の被告が発信し続けていた「掲示板」に共通する。彼は彼なりのSOSを送っていたのだが、それはネット上に捨てられたゴミとして扱われ、誰も見向きもしなかった。若しくは気付いていたけど所詮ゴミだからと、気にも留めなかった。被告は「誰かがもし反応してくれていたら」と、言っていたそうだ・・。

    つい先日、親に虐待され、命を落とした児童の報道があった。以前から虐待の疑いがあったとして、学校長らが父親と面談し、父親本人は強く反省したとの事で、連絡を受けた相談所側も特に行動はとらなかったらしい。しかしこの結果である。虐待も立派なサインである。親自身が心に闇を抱えていると判断していい。学校側とどのようなやりとりをしたか分からないが、彼らが抱える根本的な問題を解決する方向に持っていく事が出来たのだろうか。学校側としては、「反省します、もうしません」という言葉を聞きたかったのだろうが、それとは別にサインはサインとして把握し、家庭環境の問題についても深く掘り下げるべきではなかったのだろうか。「あなた自身も誰かに傷つけられていたりする(生活苦であったり、社会的に不当な扱いをされていたり)かもしれないのだから、一緒に対策を考えていきましょう」と。家庭問題まで学校では対処出来ないだろうから、相談所がもっと動くべきだったのだろう。くどいようだが、虐待というのはサインの一種であり、「もうしません」と誓ったとしても、そのひずみは何処かで爆発してしまう可能性があるからだ。

    「状況を見守る」というような判断をされたようだが、「見守る」とは、寄り添い声かけをしたり、状態を逐一チェックするという認識であれば、このような悲惨な出来事は起こらなかったのではないだろうか。子どもだけでなく、当然親にも。

    きっと秋葉原事件も、江戸川の事件も、大分前から無意識のうちに何かしらのサインを発していたのだろう。でもそれは路ばたに捨てられたゴミのように、見過ごされていたようである。当事者が実際ポイ捨てをしていたかもしれない。それをサインと判断するのは難しいかもしれないが。

    僕がゴミを拾ったところで、誰を助られるわけではないと分かっているが、ゴミ(サイン)がそこにあるという意識は以前より高まったようである。将来の仕事に役立つ事を望みたい。

    (写真 メーホンソン郊外 筆者撮影)


    コメント
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック

    calendar

    S M T W T F S
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    << November 2019 >>

    selected entries

    archives

    recent comment

    recommend

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM