39歳の地図は白地図ではなかった

0


    私の演技は駄目出しのオンパレードでして、特に「リアリズムではなく写実的に」という演出にいかに応えられるかが焦点となってます。リアリズム一辺倒の演出をしていた私としては、苦労もありますが、反面新たな課題に取り組めるので良かったと思います。

    舞台復帰と言えど今後も続けるかといわれたら、今は正直分かりません。むしろこの経験を将来の福祉活動に取り入れたい気持ちでオーディションを受けました。しかも幸いな事に稽古は夜間や土日なので、自主課外授業の気持ちで参加させていただいております。自論ですが、一芸があったり、エンターテイナー的な福祉職員がいてもいいのではないかと思うのです。

    利用者の表現活動に力を注げる職場を探そうと思っています。バンドマン、絵描き、演劇と、それぞれ成し遂げる事は出来ませんでしたが、それぞれの経験が、利用者のリハビリ、レクリエーション、はたまた人と人をつなぐ道具となりそうなのです。これは授業や現場実習を通じて発見した事なので、入学当初は「自分は白地図だ」と思い込んでましたが、いい意味で裏切られました。あとはその「ある程度塗った地図」を、しかるべき色、道具で完成に近づけていくかが問題です。そのツールとは、簡単にいってしまえば職場環境だと思います。ひとえに老人施設、障害者施設といえど、方針、内容により枝別れしているし、施設の理念、方針も関係してくるでしょう。しかし最も重要なのは、そこで働く人の資質、関係性が、よい環境とそうでない環境の別れ目だと思います。

    「表現活動?そんな事に力を注げる余裕は無いよ!」という施設もあるでしょう。しかし、先日私が見学に伺った渋谷区の障害者施設「はぁとぴあ原宿」では、寧ろ表現活動に全力を注いでおり、利用者が作った作品を世に送り出し、うち9割を本人に還元することで、自立と尊厳を保とうとしています。また、「人(職員も含む)を育てる環境作り」をモットーにしているようで、その成果は利用者、職員の表情や挨拶で一目瞭然でした。こんな職場で働ける方が羨ましかったです。

    「職員は役者であれ。そして笑顔を絶やさない役柄に徹しろ」と、ヘルパー2級を受けた際、講師の方がおっしゃってました。僕の立場としては「職員役に徹しろ」といった方が近いのかしら。そんなわけで、学校でも真剣さのなかに、どこかしらユーモラスかつ人間味を伴った技術の向上に勤しんでおります。

    でもやはり将来は、アジアで福祉活動を行っていけたらと思ってます。旅は僕の人生に大きな影響を与えてくれたからです。この地図が完成するにはまだまだ時間がかかりそうです。でも想像していたより、少しでも大きな地図になればいいなと念願しています。

    (写真/都内 筆者撮影)



    コメント
    コメントする








       
    この記事のトラックバックURL
    トラックバック

    calendar

    S M T W T F S
         12
    3456789
    10111213141516
    17181920212223
    24252627282930
    << November 2019 >>

    selected entries

    archives

    recent comment

    recommend

    links

    profile

    search this site.

    others

    mobile

    qrcode

    powered

    無料ブログ作成サービス JUGEM